9月、10月、11月は

豪華講師陣による特別講義ラッシュ☆!

 

9月・10月は調理師科のほうへ

京都 木乃婦より高橋拓児先生、

赤坂四川飯店より陳健一先生、

ポンテベッキオより山根大助先生、と

当校に特別講義でお招きしてお越しいただき、、

 

製菓衛生師科の方にも

先週の11月9日・10日の2日間

京都の御菓子司  末富

四代目 ご主人 

山口祥二先生をお招きして

特別講義・実習をしていただきました!

 

末富は京都を代表する

創業120年以上続く老舗です。

こんなにすごいところから

お越しいただいてお話を聞けることは

本当に貴重な体験(*_*)!

(京菓子とは京都の御菓子を表すとともに

正確には高い技術をもつその専門の職人が

作るお菓子のことをいいます!)

 

山口先生にしていただいた講義・実習内容は

◆薯蕷饅頭

◆雪餅

◆ツリーきんとん

の3品を教えていただきました。

 

まず1品目 《薯蕷饅頭》

山口先生が初めて作った和菓子が

薯蕷饅頭と言っておられましたが、

この薯蕷饅頭、作り方は非常に

シンプルです。なのにおいしい!(失礼!)

松江で有名な朝汐(風流堂さん)もこの

薯蕷饅頭なんです。おいしいですよね(しつこい!)

 

 

和菓子ってやっぱりあんこを包む作業が

非常に多くて、ここでも包餡の技術が

必要で、学生たちは苦戦していました((+_+))

 

で、この包餡したものを蒸すとこんな感じ!

 

人数の多いお茶席では薯蕷饅頭が使われる

こともあるそうで、

末富さんではたくさんの薯蕷饅頭や

そのほかの蒸し物でも蒸し器には、しっかり

蒸すために2段ずつしかのせないそうです。

大量仕込みだとしても、一つ一つを丁寧に

仕上げていく、そういった所に職人の志、

末富が続く理由にもつながっているな、と

思いました(._.)

 

そして2品目 《雪餅》

 

末富さんでは入社してくる新人の方に

これをまずやってもらうそうです。

雪餅は熱いうちにやるのがポイントで

デモをやられているときも熱そうで、

学生二人にも前で一緒にやってもらいましたが

『熱い!あっつ!』といった感じで(笑)

新人の方にやってもらう理由がなんとなくですが

分かった気がします(笑)

 

 

写真では分かりにくいかもしれませんが、

松江で道明寺が売られていますよね?

それに似ているようで、道明寺粉を

使っていて、周りには氷餅といって餅を

凍らせた餅をつけています。

雪みたいで奇麗でした!

道明寺も食べたことがなかったんですが

この雪餅がすごくおいしくて、

道明寺も食べたくなりました(*´ω`*)

(関西では、こっちで道明寺と

呼んでいるものが桜餅になります!)

 

最後の3品目 《ツリーきんとん》

 

きんとんは練りきりとは違って、

色付けした餡をざるのような漉し器で

こしてそぼろ状にして、それを芯となる

餡や牛皮に付けたものをいいます。

きんとんの特徴にもなるそぼろ状の餡をつくり、

実際にツリーきんとんをつくるまでを学生に

前で体験してもらいました!

 

 

きんとんは上生菓子で季節の果物や季節の花、

季節そのものを表したりと、京菓子の代表ともいえて、

お茶席には多く使われています。

今回教えていただいたツリーきんとんは

お客様からのオーダーで出来たものだそうで、

クリスマスもちかいですし、なにより可愛くて

作るのがみんな楽しそうでした!

 

 

そぼろ状の餡を先の細い箸で

餡の芯にツリーの形になるようくっつけていくんですが

これがなかなか難しい!!

量も気にしながらつけないと大きすぎるツリーに

なったり、せっかくのそぼろ状の餡を潰してしまいそう

なので力加減も難しいんです。

 

ツリーきんとんが一番苦戦したんじゃないかな(>_<)?

みんないろんなツリーができてました!

(実は私もやってみたかった…(*_*))

 

きんとんは季節を表すと書きましたが、

ツリーきんとんを12月のきんとんとすると

1月、2月、6月もあるわけで。

実際に作ることは出来ませんでしたが、

末富さんから持ってきていただきました!

 

◎1月 相生(あいおい)

一緒に育っていくという意味もあり

左右で紅白になっておりお祝い事などに使われるそうです。

 

◎2月 紅梅きんとん

 

◎6月 紫陽花きんとん

朝露をイメージして、寒天が乗っています。

 

7~8月は夏で暑く、あんこも

いい状態ではなくなるのでこの期間は

きんとんや上生菓子はあまり売れず

葛のものや焼き物が好まれるそうです!

 

きんとんで花鳥風月を表そうとすると

風の表現はなかなか難しいので

付ける名前に表すこともあるそうです。

そういったきんとんの由来だったり、

どんな場所でどんなきんとんを

注文されるのかだったり、和菓子・京菓子は

本当に奥深いな、と感じました。

 

1年間でもいろんなきんとんを

作られるので見ているだけでも楽しめて

さらに店頭に並べられたら季節の変わり目を

なおさら実感できますね!!

 

 

 

京都の和菓子屋さんは用途に合わせて

上菓子屋、おまん屋、お餅屋、、それぞれに

分類されるそうで、京都の街中はこれらのお菓子屋さんが

程よい距離にあって生活の中での様々なシーンに

使い分けてその時に合った和菓子屋さんにいくそうです。

 

上菓子屋である

末富さんでは、お茶席(茶道)の御菓子、

供物や慶事などでお寺からの

注文もあって、店頭にもおいていますが

基本的にはオーダーメイドだそうです。

その季節、その場のシーンにあったお菓子を

注文されて、そこから決めていったり、、、

試行錯誤がつきものだとか、、、(*_*)

お客様のイメージしておられるものが

表現できないとき、色が少し違ったりなど

試作しては直して、、、

そういった大変さも今回の講義で

知ることができました( ..)φ

 

個人的に京都が好きなのもあって

京都の暮らし方だったり、和菓子の歴史も

聞き入ってしまいますね(笑)

 

こういった場があって

知ることのできた歴史や知識も

京菓子に普段触れる機会が

少ないからこそたくさんのことを

吸収できたんじゃないかなとおもいます。

 

今回の特別講義では、講義(デモ)だけでなく

実際に学生たちが実習をして自分たちの手で

本場の京菓子に触れられたことがなによりの

収穫で、とても貴重な経験でした!!

 

ありがとうございました(*^-^*)/