10月31日(木)・11月1日(金)と2日間にわたり
京都の京菓子司 末富 四代目
山口祥二先生にお越し頂き、京菓子の
特別講義を行いました!
今回の講義・実習では4種類の京菓子を
ご指導いただきました!
まずは1日目に山口先生に講義として
それぞれの菓子のデモンストレーションを
みせていただき、2日目に学生たちが実際に
つくっていきました!
1日目はデモンストレーションとしてつくって頂きながら
学生たちにも目の前で体験させていただきました!
数人は1日目に少し体験し、2日目の実習に挑みました!
そして2日目の学生たちの実習内容はまず、
きんとん(照葉)
きんとんとはあんの玉に
そぼろ状にしたきんとん用のあんをつけて
季節を表した京菓子の代表的なものです。
季節を表しているので年中通していろいろな
きんとんをつくられるそうですが、末富で売られている
きんとんを12ヶ月分お持ちいただきました!
1月:相生
2月:紅梅きんとん
3月:桃の里
4月:花の山
5月:つつじ
6月:紫陽花
9月:白露
10月:初紅葉
11月:照葉
12月:ツリーきんとん
12ヶ月以外にも紅葉が季節によって色が移り変わって
いく様子を表したものも見せていただきました。
和菓子、京菓子というと饅頭のイメージが強い気もしますが
きんとんは色合いもとても綺麗で季節を感じられるお菓子でした。
12ヶ月の中に7月・8月のきんとんがないのは理由があります。、
きんとんは上生菓子に分類され日持ちがせず、
ただでさえ暑い夏の期間は特に腐りやすいため、
きんとんではなく、葛を使ったもので
涼しく季節を表現されるそうです。
実際に学生もつくってみました!
きんとんにあんをつける専用の細い箸であんを
つけていきますが、山口先生がつけられるような
ふんわりとした付け方が難しいようでした(^_^;)
大きすぎず、小さすぎず、というちょうどいい大きさに
あんを潰さずにつけていくのは、やはり職人さんの
技術だなぁと実感しました。
2つ目は光琳菊
光琳菊というのは画家の尾形光琳が描いた菊のことですが
和菓子の中にはその光琳菊をイメージした菓子が多くあります。
蕷薯饅頭で表現する場合もありますが、今回は求肥という餅生地で
光琳菊をイメージした菓子を教えて頂きました。
京菓子・和菓子で使われる餅はもち米をついたものではなく、
求肥粉を蒸したものを使います。
京都には京菓子を出しておられる上菓子屋、おまん屋、おもち屋と
分類されるそうですが、お米をついて餅にするのはおもち屋だそうです。
学生たちは実際に光琳菊をつくりましたが、求肥を扱うのが大変そうで
手にくっついてかなり苦労していました・・・!
求肥を分割するところから、包み、形をつくるところまで
ずっと難しい作業でした(´∀`;)
3つ目は蕷薯饅頭
じょうよ饅頭は地元の和菓子屋さんでも有名な
製品として出されています。
見た目はシンプルなため簡単につくられそうですが
少ない生地であんをつつむところが大変そうでした…
基本的にこしあんを使うようですが、
今回はこのじょうよ饅頭は粒あんを使用。
なぜかというと今回の特別講義ではあんの仕上げも見せていただき、
さらにそのあんをじょうよ饅頭に使わせていただいたんです!
あんこの原料になる小豆は北海道のものと丹波のものがあるそうで、
今回は粒の大きい丹波のものであんを仕上げていただきました。
あんを炊くのにはすごく時間がかかるため、最後の煮詰める作業だけでしたが、
そこだけでもあんを炊く作業の大変さが伝わりました!
さらに!炊き立てのあんを食べる機会はなかなかないということで
温かいあんを試食させていただきました!
粒も大きくほかほかで甘くてとても美味しかったです(*´∀`*)
4つめは雪餅
雪餅は名前の通り、寒い時期の12月頃に出されるそうで、
周りに付けられている氷餅で雪を表現しています。
道明寺粉の蒸らし加減を見て頂いています↓
この菓子は道明寺粉をお湯で蒸らして餅状に戻し、
熱いうちに成形をします。
熱いうちに成形しないと硬くなってしまうため、
手が少し赤くなりながらも頑張ってあんを包んでいました!
この菓子の仕上げに使う氷餅ですが、餅を寒いところで
乾燥させてつくるので東北の地域で製造されます。
本当に氷のような状態なので綺麗な饅頭に仕上がりました!
そして、本来は予定になかったのですが、
急遽7・8月に出されるくずの饅頭をつくっていただきました!
学生も体験!!
急だったため、学校にある葛粉でつくっていただいたんですが
本当にもちもちぷるぷるでとても美味しかったです(*^〇^*)
今回の特別講義は、普段洋菓子や製パンの実習をしている
学生はもちろん教員にとっても新鮮でした。
2日目の実習中に先生方が
「やっぱり普段から作業している学生さんたちは
動きが違いますね、早いですね」と言われました。
普段の実習もそうですし、これから出て行く社会でも
こういった職人の技術にはつながっている点がいくつもあるな、と
実感することが出来ました。
この経験を通して学生たちも職人としての心構えや
技術を磨くという大切さを実感したと思います!
この先お菓子・パン・カフェどの方向に進むのかは
それぞれ違いますが、学んだ内容を是非これからに
生かしていってほしいものですね(^〇^)/